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2024.12.25

こんにちは。山崎晴太郎です。
少し間が開いてしまいました。

Contour of Yohaku / Hošek Contemporary, Berlin

まずはベルリンの個展のご報告です。

ドイツでは初めての展示がこの個展でした。実は作品をFedexで送った際になかなか通関させてもらえず、一時はどうなることかとヒヤヒヤしましたが、セイタロウデザインのアート部門のメンバーの絶妙なチームワーク、そして渉外担当のMayaの粘り強い交渉のおかげで、どうにか個展の期日にインストールが間に合いました。

会場になったHošek Contemporaryは川の上にあるギャラリー。

ベルリン中心部を流れるシュプレー川に係留された貨物船の倉庫がそのまま展示空間になっているという、とても不思議な空間です。Googleマップから見るとこうなってます。

Calisthenics Parkという公園の中に入り口があります。これがギャラリーへのアプローチになっています。

こちらが設営の様子です。

そしてこちらが個展の様子。レセプションの直前です。こういうオルタナティブアートスペースでの展示、僕は大好きです。

今回持っていったのは、スパイラルの個展でも展示した「八百万の痕跡」シリーズ、「こぼれおちたものの標本」「Stories Not Used」シリーズです。「八百万の痕跡」シリーズは額装バージョンと軸装バージョンに加えて、稲城市の城山公園の野外撮影の様子をお見せした、全長30メートルのものも持っていきました。展覧会に出すのは初めてですが、画像でおわかりのように会場の中心部でインスタレーションになっています。その傍らには「Stories Not Used」のBig Book。こちらもスパイラルとは見せ方を変えています。

© Mari Vass

ベルリンも東京と同じように第二次世界大戦の末期に徹底的に破壊され、多くの死者が出た町ですし、古くは17世紀の三十年戦争でも住民の半数が死亡するような戦禍をこうむったそうです。歴史に記録されることなく消えていった無数の声なき声たち、そして都市の地霊のような気配の痕跡たちが、そんな町を流れる川の水面に亡霊のように幻出している。

まるで、能楽の世界のようです。

こうしてベルリンでの個展がスタートしました。現地にいる友人が遊びにきてくれて久々の再会があったりと、いろいろな意味で素晴らしい機会になったと思います。ただし僕は現地で風邪を引いてしまって体調は最悪、おかげで帰国後に楽しみにしていた東京のゲーテ・インスティトゥートのセミナー「バウハウスの舞台:能と抽象舞台芸術」は泣く泣く見送りました。残念です・・。

余白のアートフェア福島広野

もう一つのご報告は、「余白のアートフェア福島広野」です。

こちらは11月5日にプレスリリースを出しましたが、かつて福島第一原発事故で全町民が避難し、また津波でも犠牲者が出てしまった広野町の二ツ沼総合公園で、アートフェアを開催します。僕はディレクターとして関わっていますが、もちろんアーティストとして作品も展示します。

このプロジェクトのそもそものきっかけは、僕がブランディングを担当したソラーレホテルズアンドリゾーツさんのホテルブランド「ハタゴイン」の国内3店舗めが広野駅の前にあったことでした。それが広野町でアートによる復興に取り組んでおられる方々の耳に入り、広野町で何かアートプロジェクトをやってみませんかとお声掛けいただいたのが、今年の春先です。

そこから紆余曲折あり、10月に経産省の助成金に採択していただいて、大急ぎでアートフェアの準備をしていたのが、11月の前半でした。その間にアートフェア出展アーティストの公募もさせていただいて、11月21日に一次審査を通過した61人の方を発表。11月27日には僕、出展アーティストでもある愛☆まどんなさん、広野町でアーティスト・イン・レジデンスを運営しておられる高橋優子さん、そして福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校の美術部の生徒さんたちと、最終審査を行います。

このアートフェアでも、キーワードは「余白」です。

詳しくはアートフェアの公式サイトをご覧いただければと思いますが、日本のアートシーンの余白のような領域から、次の時代のアートシーンを担うようなムーブメントを起こすことが出来ればという思いと、そしてもちろん東日本大震災の被災地の復興のお役に立てればという思いで取り組んでいます。

企画段階でお声掛けして既に出展が決まっているアーティストの方々もですが、公募で集まった方々もバラエティに富んでおり、なおかつハイレベルです。アートフェアは来年の1月25日、26日に実施します。アーティストや運営チームの宿舎になるハタゴイン福島広野は、この2日間はまさに現代アートキャンプのような空間になると思います。もちろん泊りがけでの来場も大歓迎です。25日の夜はレセプションを予定しています。興味のある方は、ぜひ遊びにきてください。

余白のアートフェアは協賛企業さまも募集中です。お問い合わせはこちら(info@artfairhirono.com)まで。よろしくお願いいたします。

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