本作は、2025年1月に福島第一原子力発電所事故の被災地である広野町で開催された「余白のアートフェア福島広野」のため、そしてウクライナ人アーティスト、マリア・プロシュコフスカの作品「Fragmented Dreams」(2021年)へのレスポンス作品として制作されました。
プロシュコフスカの作品は、ウクライナ人アーティスト、ハリーナ・ズブチェンコとグリホリー・プリシェドコが1972年から1974年にかけて制作し、ウクライナ国立科学アカデミー原子力研究所に設置されたモザイクタイル作品「Blacksmiths of the Present」を、チョルノービリ原子力発電所事故の被災地で発見されたソ連時代のフィルムを用いて撮影したものです。
私は彼女の作品に深く感銘を受け、ニュース映像の音声から抽出したソノグラフの図形を用いたシリーズ「Voice within the Voice / 声の余白」の一つとしてこの作品を制作しました。
ソノグラフの図形の背景になっているのは、福島第一原子力発電所事故現場の作業員の写真です。私は事故を伝えるニュース映像の音声トラックのソノグラフから採取した20の図形を、画面上に配置しました。文字や言葉ではないこれらの形は、被害を受けた人々の伝えきれない想い、ニュースからこぼれ落ちてしまった、事故現場に漂う空気感を体現しています。





